科目名は
「ピアノ指導法Ⅱ」!
今年度後期は沖縄県立芸術大学の非常勤講師を兼職しており、この2月に2日間8コマの授業を行ってきました。科目名は「ピアノ指導法Ⅱ」! ピアノのずぶの素人が、ピアノ指導法の授業8コマを行うとは、大胆にもほどがありますね(笑)
なぜお引き受けできたかといえば、この科目はピアノ指導者を目指す学生向けの授業で、教室を開くのに必要な知識、ノウハウを教えてほしいとのことだったからです。それであれば私にもできるかも、と「音大生の武器とは?」「ピアノ教育のすごさ」「社会の仕組みを知る」「ピアノ指導法を活かす方法」「人生とお金に関する知恵」「目標設定・管理の大事さ」「AI新時代に求められるスキル・知識」「人生は壮大なプロジェクト」の8つのタイトルで授業を行いました。

特に強調したのは次の3点です。ひとつはAI新時代に求められるのは、英数国理社のように答えのあるものではなく、文化芸術や五感など答えのないものであること。なぜなら答えのある問題は、AIが最も得意とする領域だからです。その意味で音楽のような「答えのない最高」を追究する世界は、AIに代替されることはまずありません。
もうひとつは2050年を想像し、そのときの生徒をどう集めるかを考えましょう、というものです。国立社会保障・人口問題研究所の公表資料によれば、2050年の日本の人口は現在の1億2千万人強から1億600万人ほどになります。少子化がさらに一段と進むうえ、高齢者の割合も現在の3割弱から4割弱に増加します。また年々外国人の住民が増えています。
そうなると子どもだけを教えて生き残れる教室は当然限られます。生き残れる可能性が高いのは、大人、特に中高年を教えられる教室、外国人を教えられる教室です。そうした時代の変化を先読みする大切さをお伝えしました。
最後にピアノが弾けること、教えられることに自信と誇りを持とう! ということです。ピアノ専攻の学生は、人生の時間のかなりの部分をピアノの椅子に座って過ごしています。そこから身に付くものの可能性は無限大です。
