音大入試②
音楽大学の学生数(音楽関係学部学生数)は残念ながら減少傾向にあります。文部科学省「学校基本調査」によれば、2000年に22,829人いた学生が、2023年には15,723人まで減っています。この間大学生の数は約247万人から約263万人へと少子化の中でも大学進学率が上昇して絶対数が増えているにもかかわらず、です。そのため多くの音楽大学で定員割れが起きています。
私が勤務する名古屋芸術大学の2024年度入学試験結果を見てみると、幸いにして入学定員140名に対し161人が入学し、定員充足率は115.0%と定員を満たしています。
学生たちに名古屋芸術大学を選んだ理由を聞いてみると、「音楽のみならず芸術を総合的に学べる」「自分の学びたいコースが名古屋芸術大学以外にはなかった」「オープンキャンパスで受けたレッスンが行った大学の中で一番よかった」などの声が上がってきました。確かに美術やデザインなども含め芸術を総合的に学べるのは大きな強みだと思いますし、音楽だけで13ものコースがあるので、自分の学びたいものがシャープに見つけやすいのかもしれません。オープンキャンパスへの取り組みも熱心ですから、うまく魅力をアピールできているのかもしれません。日頃、校務や教育に熱心に取り組んでおられる教職員のみなさまには頭が下がる思いです。
ただ数字を細かく見ていくと、合格者数は214人。約4分の1にあたる53名が辞退していることになります。国公立は学費が安いのである程度は仕方ありませんが、まだまだ魅力つくりに力を入れる必要性を感じます。また舞台裏を支えるコースや音響を学ぶコースなどの人気が高い一方、演奏系のコースには学生を集められる余地が大きいと感じます。ピアノや声楽、弦楽器、吹奏楽など、教職員のみなさんと一緒に学生募集で汗をかきたいです。

そんな中、今年度後期から、神戸女学院大学准教授の八木澤教司さんを特任教授に迎えました。八木澤さんといえば多くの吹奏楽作品の作曲家で、吹奏楽指導者としても著名な方です。「八木澤さんに学べる大学」として新たな魅力を発信していきます。