音大入試①
秋になり、ちょっと早いですが私が勤務する名古屋芸術大学では受験シーズンに入りました。10月に総合型選抜入学試験が行われたのを皮切りに、順次今年度の入学試験が実施されます。私はこれまで大学職員として入学試験監督の経験はありましたが、教員になってからはほとんど関りがありませんでした。
それが今年度から音楽の責任者になり、入試運営に深く関わることになりました。まず驚いたのは、試験日数の多さです。なんと25年度入試の日程が7日もあるのです。その中には社会人&シニア入学、海外帰国生徒入学、外国人留学生入学なども含まれていて、幅広い人材を積極的に受け入れようとする意図がうかがえます。
実際にシニア世代の学生は多くいて、昨年の話ですが、50代、60代の6人の学生さんにインタビューする機会がありました。みなさん非常に生き生きしていて、「授業が楽しく、いつも一番前の席で授業を受けている。先生はやりにくそうだけど(笑)」「若い学生と話すのが楽しい」「シニア学生仲間でLine作って連絡取り合っている」など、充実したキャンパスライフをうかがわせるお話がきけました。

一方、若い学生にシニア学生について聞いてみると、「恋愛とか将来のこととか、さまざまな悩みを聞いてもらっている」「授業に向かう姿勢は見習わないと」「違う世代の友達がいるって、はじめは不思議だったけど、今はフツーな感覚。」など、肯定的な意見がほとんどです。若い学生にとっても頼りになる存在だったり、見本になる存在で、いい刺激になっているようです。
日本は少子化で将来立ち行かない大学がかなり出てくるといわれますが、若者だけではなく、シニア世代も学べる大学を目指すのは、ひとつの生き残り戦略になる気がします。
また名古屋芸術大学は留学生の受け入れにも積極的です。日本語などが壁になる生徒さんには留学生別科を設け、円滑な受け入れを図っています。少子高齢化は大学にとって大アゲンストですが、いろいろ知恵を絞れば生き残りの道は案外多くあるのかもしれませんね。