音楽家として生きる道④
前回実家が100億くらいあって、と言いましたが、「そんな家あるか!?」と思った人もいるかもしれません。でも案外いるものです。日本には1億円以上の金融資産(自宅の土地建物などは含みません)を持つ家庭は130万世帯以上あります。その中には100億どころか、ユニクロの柳井さんやソフトバンクの孫さんのように2兆円以上!お持ちの方も。
とはいえそれ以外の世帯が5,000万世帯以上ですから、私も含め、大体はこちら側の人間です。
そんなフツーの音大生が、「卒業してとりあえず、アルバイトで生活費を稼ぎながら演奏活動を続けよう」と思ったら、どうしたらいいか?
まずは大学3年か、遅くても4年になるくらいまでにして欲しいのは、本当にその道でいいのか、自問自答することです。3年の終わりともなれば、ある程度自分の音楽的才能や実力を見極められる材料がそろっていますからね。学校での成績とか、周りの仲間のレベル、コンクール実績……、それらの裏付けがないまま「とりあえず」は結構危険です。そこで無理して後で大変なことになっている人を数多く見てきています。
とはいえ、音大にせっかく入ったのだから演奏で生きていきたい!と思うのも人情。そこはよくわかります。自問自答して正直厳しいけれど、音楽の道は諦めたくない……、そんな人は是非、学校の先生、音楽教室の講師、楽器店など音楽に関係する仕事も視野に入れてみて欲しいな、と思います。
それでもいるんですよ。演奏家だ!という人。そんな人はどうしたらいいか?
最低限必要なのは、せめて夢ではなく、目標を持つことです。なぜかといえば「いつかこうなりたい」はまず間違いなく実現しないから。使い古された言葉だけど、「いつかとお化けは出たためしがない」んです。またこうも言いますよね。「夢では食っていけない」―――厳しいと思うかもしれないけれど、それが現実です。でも夢では食べていけなくても、目標を持ってきちんと取り組めば、かすかかもしれないけれど「食っていける」可能性は出てきます。