音楽家として生きる道①
前回、成功する音楽家になれるといいよねぇ、という話をしました。世間から注目を集めるだけではなく、金銭的にも恵まれる夢のような世界です。ただ、これにはみなさんもご存じの通り、多少ピアノが弾ける、トランペットが吹ける程度ではどうしようもありません。とはいえ、「音楽が好きだからそれを仕事にしたい!」という気持ちは痛いほどわかります。どうしたらいいのでしょうか?
道としては2つだと思います。ひとつは正面突破。いい先生に付いて、ガンガンとコンクールを受けまくって、世間に自分を認めさせることです。ただこの路線は結構賞味期限が短いです。早く結果を出さないと、若い人が次から次に出てきます。音大生はみんな若いと思っているけれど、全然若くないからね(笑)。
例えば最近テレビでよく見かけるピアニストの藤田真央さんは、大学2年か3年でチャイコフスキー国際コンクール2位になっていますが、それ以前すでに17歳で浜松国際ピアノアカデミーコンクール第1位、18歳で第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール優勝という実績を持っていたし、ヴァイオリンの辻彩名さんも18歳でモントリオール国際音楽コンクール第1位になりブレイクしましたが、11歳のときにはすでにプロオケと共演していました。ですからこの路線は、早熟でないと、辛いかも。
ではどうしたらいいの?と考えて浮上してくるのが、前回言った「人の心をワシ掴みにするようなSomething」を身に付けることではないかと思うんですよね。先日テレビを見ていたら、葉加瀬太郎さんが「音楽で生きていくには『こいつ、使えるな』と思われることが大事」と言っていましたが、多分それと同じようなことではないでしょうか。
一杯いる演奏家の中から選んでもらうわけだから、腕がいいのは当たり前で、プラスαの何かがないと、厳しいのだと思います。あらゆるジャンルに対応できる、アドリブができる、アレンジできる……。こちらもなかなかハードル高そうですが、大卒後からでもブレイクのチャンスはあります。最近人気のハラミちゃんなんか見ていると、「まさに!」という感じがしますが、いかがでしょう。