腹式呼吸の奥義

写真:ベルリン・シャルロッテンブルク区役所
餅は餅屋、呼吸リハビリの理学療法士さんから教わった、下丹田よりさらに身体の奥深くに吸い込む腹式呼吸の奥義を、ご紹介します。
意識を集めるポイントは、もも付け根のリンパ節と、腰骨後方の丁度左右お尻の筋肉が始まる部分です。後者は意識しにくいので、げんこつでポンポンと叩いてみてください。
仰向けになり、下半身に向かって息を吸い込みます。脚が風船状になっていくようにイメージしてください。吸った空気が両ポイントの間を通って、脚の中に入っていき、あたかも肺が大腿の中まで拡がっていくようです。腹式呼吸どころか、脚式呼吸と言えましょう!
足裏マッサージでもして足裏が活性化されていると、さらにその空気が足裏から先へと抜けていきます。立った状態でこれをすれば、吸った空気が地球という大きな風船に入っていくことになります。地球の立場からみれば、あなた自身がポンプ!
実際には、肺は最大限でもおへそまですら膨らまないそうですから、なんとも偉大なる妄想ですねえ。それでも、良い妄想により深い呼吸をゲットできれば、しめたものです。無理しない程度に、出来るだけたくさん吸ってたくさん吐いてください。

写真:バランスボール
バランスボールに座ってみましょう。無ければ、椅子で構いませんから、バランスボールに座っているつもりになって。息を吸い込むと、腰骨後方のポイントを経由した空気が、バランスボールに入り膨らんでいきます。バランスボールはさらに、地球という大きな風船に繋がっています。
口を狭くしてシューシューいうのではなく、開き気味にして余計な抵抗が発生しないようにしましょう。胸郭も、閉じていては抵抗になってしまいます。前後左右にぐっと拡げてください。頑張らなくても、口から脚や地球やバランスボールに楽に空気が流れていくように。
その状態で、8秒間かけ均等に吸って8秒間かけて吐きますと、 クレッシェンドとディミニュエンドを伴った16小節の長いフレーズになります。「吸う」から「吐く」へ、「吐く」から「吸う」へ、境目をはっきりさせず滑らかに移り変わるのがいいです。
そうしているうちに、身体全体がリラックスしてきて軽くなり、南国の蒼い海に浮遊しているような優雅な錯覚に・・・。ここにきて、例のベルリンに留学していた美人日本人ピアニストが言いました。「それ、ヨガの呼吸と同じですね」。わかっていただけてよがったー!