音大生にエール! 連載09 多様な中に隠れた「最高」|音大生就活ナビ

音大生にエール!

【連載09】多様な中に隠れた「最高」

今年はコロナということで全く特殊な年になり、私たち自身も未経験なことばかりで、若い人に適格な助言が出来るかもわかりません。ただ「コロナでなければ」という前提では、色々見えることがあります。

多様な中に隠れた「最高」 音大での学生生活は、いくらでも遊べると思います。一般教養の学科は超テキトーですし、音楽史とか音楽概論とかフランス音楽についてとか、音楽的なことで理屈をこねる授業も全く内容がありません(笑)、音楽事典を斜め読みしておけばわかるようなことを、もっともらしく先生が語るだけでしょ。もちろん成績も甘くテキトー、だから通う意欲もなくなりますよね。「それでは!」とここで専門の実技に本腰を入れる人は、やはり際立って抜けて行けますよ。それを横目に落ちこぼれると、日々麻雀とか(笑)、退廃的な大学生活に浸ることになります。でも実技は「その場限り」ですから、試験さえ何とかクリアになれば卒業できる!

音大生活はうまくやれば極楽かもしれません(笑)。

多様な中に隠れた「最高」 我々の時代ではそんな退廃組は卒業後は思わぬ一般会社に就職したり、ポピュラーの音楽家になったり、日雇いのレストランや遊園地等イベントの仕事とか、家で細々子供を教えたり・・・・これってどうですか?今の時代だったら決して挫折感を背負ってやる仕事ではありませんよね?昔は「ヤクザな仕事」とか言いましたが、今では立派な職業です。つまり現在はここにも競争があるのです、だから今は超ダメダメな音大生ってあまりいないと聞きます。

皆さんに言いたいのは、このレベルを普通だと思ってしまってはいけないということです。

世の中がこうして多様性があるから「何とかなる」というのは、確かにその通りなんですが、やはりよく考えて「何が最高なのか」を見つけ出し、その「最高」を若いときに目指してこそ、青春は輝きますよね!

ピアニスト 斎藤雅広 profile

ピアニスト 斎藤雅広 東京芸大出身。ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ等に師事。18歳で第46回日本音楽コンクールに優勝し、翌年NHK交響楽団との共演でデビュー、「芸大のホロヴィッツ」と称される。 国内主要オーケストラの他に、韓国KBS響、ミュンヘンプロアルテ室内管、ワイマール歌劇場管弦楽団等と共演し、ウクライナ、イギリス、ポーランド、フランスの国際音楽祭に招かれリサイタルを開くなど、海外でも高く評価された。室内楽でも巨匠ヨゼフ・スークはじめ、ペーター・シュミードル、ヴェンツェル・フックス、ヤナーチェクSQ、ヴィア・ノヴァSQ等とも共演を重ね賞賛された他、 フランチェスコ・アライサ、ルチア・アリベルティ、デニス・グレイヴス、トム・クラウゼ、イロナ・トコディ、ハンス・ペーター・ブロホヴィッツ、ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ、サイモン・エステスをはじめ、多くの世界の名歌手達から厚い信望と絶賛を得て、わが国最高の名手という評価を不動のものとした。

斎藤雅広 facebook

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次回の掲載は2020年11月25日ごろを予定しております! ぜひお楽しみに!

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