唯我独尊にも生きられる
だんだん音楽家としてキャリアを積むと、この業界は人間関係、忖度こそが必要なことがわかります。もともと日本では、音楽家に対する絶対評価などありません。「この人が第一人者だ」と誰かが推せばスターになれたり、仕事も増えたり。仮に実力がゼロでもです。だから世襲で、有名な誰かの子供とか有利ですね、中身がなくてもあるように宣伝されます。コンクールもそうです、審査員の先生たちの反感を買っていたら、実力があっても賞などはもらえません。学内の試験もそうです。やはり有力者のそばにいること!しかしその有力者も、なぜ有力者になれたのかは謎また謎。だからここで生き抜くには、誰からも好かれるように、我慢して笑顔(笑)。どの職業でもそうですが。
それが出来ずに筋を通したり、おかしいことには突っかかっていったりすると、人生は大変になります、私のように(笑)。気分はとても良いですが、後悔は残りますよ、もっとこんなこともやらせてもらえたのに・・・なんてね。体制派の人間も死んでいきますし失脚したりしますから、歯をくいしばり頑張っていれば生き残りは可能。しかし結局、別のところでプライドを捨てなければならなかったりで、どちらが良いのか。
最近は若い人に対しても忖度、私もこれが不発です(笑)。絶対にこちらが意見を通した方が良い演奏になるのはわかっているんですが、嫌われないように(笑)共演の若い子の音楽に従ってしまうことが多いのです、そして必ず後悔しています。自分が若いときは生意気に自分の意見を通そうとして、それで上手くいかないのは爺たちのせいだと思っていました。これは自分の未熟さを爺が許してくれていたのですよ、爺になってわかりました(笑)。これからは譲らないことにしようと思ってます。音楽家ならば唯我独尊もアリ、皆さんはどんな音楽家人生を選ぶのでしょうか?