トランプを笑えない
最近、大統領選挙で奮闘するトランプ大統領の様子が伝えられていますが、コロナに感染しても他人の迷惑を顧みずに、自分のために大義名分を作って大騒ぎですね。でもこれは笑えません。音楽家というのもまたそうした状況だからです。
今、ただでさえ仕事がなく厳しい音楽家たちが、コロナ禍で仕事を減らし、お客を減らして皆さんが想像以上に大変なことになっています。動画を作るといくらかお金になるという話も微々たる物だし、誰もがそれで収益を得てはいません。また一見良さそうに見える仕事も、実は小さなレストランや芸術性のないイベントだったりと、そのわずかなお金のために日々振り回されて、その割には全く収入にならないことも多いようです。
またコロナ対策も実は曖昧です。いつクラスターになるかわからないし、働き出すと交通機関も利用するようになり、そこには不注意な人たちも多いのが現状です。感染者が発生しているのに黙っている学校も実際あるそうですよ、皆さんもご用心下さいね。
そんな中で音楽家たちは本来は諦めてじっとしていた方が良いのだと思いますが、フェイスブックでは自己宣伝状態、「私は活躍している」とアピール合戦になっています。仕事をするために必死な気持ちも伝わってくるのです。多少感染しようが何のその、小さな迷惑は一切黙殺した上で前に出ようとしなければ、自分の音楽家としてのキャリアが死んでしまう。誰もトランプを笑ってはいられません。
もちろん他の職業も、お給料をもらう限り、朝早くから出勤してリスクを背負って働いているわけですから、何も変わりはありませんが、職業の椅子取りゲームのような枠が小さい音楽界は、全く先が見えません。音大を卒業して目の前に何があるのか?何もないときに皆さんは芸術に対する愛だけで生きていけますか?音楽家としての本質が問われる時代になりそうですね。